「安楽探偵」小林泰三
【内 容】
街いちばんの名探偵の元には、奇妙な依頼人ばかりがやって来る。
熱狂的ファンの中年男に、執拗に真似をされる恐怖を語る人気アイドル。(「アイドルストーカー」)
何者かに太る薬を盛られていると訴えるダイエットマニアの女。(「ダイエット」)
事務所から一歩も出ないものぐさな探偵の推理とは?
全編に仕掛けられた巧妙な罠と黒い笑い。奇才が放つ連作ミステリー。
【目 次】
「アイドルストーカー」
「消去法」
「ダイエット」
「食材」
「命の軽さ
「モリアーティ」
【感 想】
文庫オリジナルの連作短編集です。
4作はWeb文庫で発表されたものですが、最後の2話は、文庫書き下ろしです。
各編とも、ちょっっと変わった依頼が探偵事務所に持ち込まれますが、現場にも行かずに、たちどころに依頼された事柄を解決してしまうという、いわゆる「安楽椅子探偵」ものの話です。
でも、最初の2編は、その謎がほとんどの読者に読めてしまう程度の話です。
ちょっと面白かったのが、第3話の「ダイエット」ですが、何度読み返しても名探偵の出した答えにならないのです。突然のどんでん返しに唖然となってしまいました。
その後の話しも、ちょっと不可解な話だなと思いながら読み進めましたが、やはり最終話に連作短編全体にかかわるオチが用意されていました。
連作短編と言うよりは、6つの章に別れた長編と考えて読む方が良いのではと思います。
最初の2話のつまらない結末に、途中で投げ出してしまいそうでしたが、投げ出さずに良かった・・・というところでした。
☆☆☆★★(50点満点で、☆…10点 ★…2点です)
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