「二歩前を歩く」石持浅海
【内 容】
不可解な謎と論理のアクロバット。 石持ミステリーの真骨頂!!
スリッパが勝手に歩く? 留守の間に風呂場の照明が点く?
現代科学では説明のつかない不思議な出来事。
幽霊のしわざか、はたまた超常現象か?
そこに隠れた法則を見つけ出したとき、意外な真相が浮かび上がる!
チャレンジ精神溢れる、六編のミステリー短編集。
【目 次】
「一歩ずつ進む」
「二歩前を歩く」
「四方八方」
「五カ月前から」
「ナナカマド」
「九尾の狐」
【感 想】
ある企業の研究者「小泉」が、同僚たちから相談を持ちかけられ、不可思議な出来事の謎に挑むという話です。
結局の所、すべての出来事が超常現象だと言う結論になるのですが、その結論に至るまでに、いろいろな調査や推理をしていく過程が、なかなかユニークです。
しかも、話が相談者の視点(一人称)で書かれているというのも、面白い所です。
「小泉」と相談しながら、一つずつ事件の可能性を狭めていき、その出来事が、犯人の居ない不思議な現象だと結論づけて行きます。
最後になって、その超常現象がなぜ起きるのかという話になり、あまり気持ちの良くない結論に繋がって行くので、イマイチ乗り切れないまま読みすすめましたが、最後の「九尾の狐」では、気持ちよくラストを迎えられ、ちょっとホッとした気分で読み終えました。
それにしても、実は超常現象で、今の科学では解明出来ないという話を、ミステリに仕上げていくという作者の手腕には驚きますね。
読みながら、超常現象なら何でもありだ・・・と思いながらも、妙に納得してしまうのは、さすがに上手いです。
☆☆☆★★★(50点満点で、☆…10点 ★…2点です)
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