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2016年9月18日 (日)

「土漠(どばく)の花」月村了衛

【内 容】

0916

ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。
その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、自衛官達の命を賭けた壮絶な撤退戦の幕があがった。。

圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を剥く。
最悪の状況のなか、仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。
なぜここまで激しく攻撃されるのか?なぜ救援が来ないのか?自衛官は人を殺せるのか?
最注目の作家が、日本の眼前に迫りくる危機を活写しつつ謳いあげる壮大な人間讃歌。

男たちの絆と献身を描く超弩級エンターテインメント!
 第68回日本推理作家協会賞受賞作!

【感 想】

ほぼ一気読みでした。退屈すること無く、読み終えました。
でも、こういった内容の本は、ちょっと苦手です。読み終えて、ドッと疲れが出ました。
想像したとおりにエンドを迎えますが、気持ちの良い読後感はありません。

SFやホラーのように、あり得ない話をホントらしく書くのは面白いし、入り込んでしまうと、その世界に没頭してしまいます。
また、ドキュメントの場合なら、実際に起こった事件の中から、その中の人たちが、どのように考えてどのような行動を取ったのかと言うところを掘り下げて書かれていると、興味深い(私の好きな)話になりそうです。

本書の場合は、「ソマリア」と言う現存する場所で、「自衛隊」という、実際に存在する機関に属する人物たちが繰り広げる話のはずなのに、作り話の感が否めません。
それならば、A国に配属されたB国の軍隊の話として進めていく方が、面白いような気がしますし、読み手の勝手なイメージで、「ソマリア」と「自衛隊」として読み進める方が、読み手としては話のイメージが膨らみます。

最初から、ご都合主義的な話が並んでいるので、読みながら、ハラハラドキドキはするのですが、どうせこの中の何人か(おそらく主人公とあと数人)は生き残るのだろう・・・と、思いながら読み進めている私が居ます。
物語には熱中しますが、どこかで覚めた目でストーリーを追ってしまっています。
少し前に読んだ、「神子上典膳」には、大きなどんでん返しが待っていた事を考えると、予想通りになってしまった結果に、少々ですが、不満が残りました。

☆☆☆★★(50点満点で、☆…10点 ★…2点です)

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