「鴨川食堂おかわり」柏井壽
【内 容】
忘れられない、でも二度と味わうことのできない一皿。
京都・東本願寺近くにひっそりと佇む食堂では、そんな記憶の中の味を再現するという。
確執がある父のレシピを知りたいシングルマザー、恋人に過去を告白するため、子供時代の焼飯を捜すモデル、故郷に帰る決意を固めようと、かつて味わった天丼を求める一発屋と呼ばれた歌い手…。
元警察官で料理人の鴨川流、娘のこいし、トラ猫のひるねのもてなしは、人生に迷える人々の背中をやさしく押し出す。
心もお腹も温まる、美味しいミステリー、第二弾!
【目 次】
第一話 海苔弁
料理下手な父親が覚えた、たった一つの手料理。
近体大の北野恭介は、水泳界のホープだ。彼は中一の夏から中三の卒業まで、父親に毎日同じ弁当を持たされたという。
第二話 ハンバーグ
息子の大好きなハンバーグが許せない母親の後悔。
食ジャーナリストの竹田佳奈は、息子の一番好きな食べ物が、実家のハンバーグであることが気に入らない。
第三話 クリスマスケーキ
息子を交通事故で亡くした夫婦のけじめ。
和菓子屋『香甘堂』を営む坂本正幸夫妻は、六年前に一人息子を亡くした。過去に踏ん切りをつける決心をしたが…。
第四話 焼飯
知られたくない、でも忘れられない過去がある。
白崎初子は、鴨川こいしと大学の同級生。初子は、大企業の御曹司からプロポーズを受けているという。
第五話 中華そば
引き継がれたものは、夢を追い続ける心。
小野寺勝司は大学時代、バンド練習を北大路橋の下で行っていたが、そこにはいつも同じ屋台が出ていた。
第六話 天丼
迷わん人生てなもん、どこにもありまへん。
「北のひとつ星」という大ヒット曲の歌い手藤川景子は帰郷を決意したが、その前にかつてご馳走してもらった天丼を食べたいという。
【感 想】
本書の第一作目を読んで、すぐさま本屋さんに行き、二作目(本書)と三作目をまとめて買ってきました。
設定が面白いし、雰囲気も良いのですが、話の膨らみがありません。
「起・承・転・結」と話が進んでいくものと思って読んでいますが、「転」にあたる話がありません。
そのせいなのか、薄っぺらな話しになってしまっています。
読み終えて、「ああ、良い話だったなぁ・・・」で終わってしまう感じです。なかなか感想が書きづらい内容になっています。
ところで、NHKのBSプレミアムでドラマ「鴨川食堂」が放送されていますが、「転」の部分を上手くプラスして、膨らみのある話しにしています。
2月28日が最終回で、ちょっと辛気くさい話が展開するのが気に入りませんし、変な京都弁を使っているのを我慢すれば面白いドラマです。
第1話から今日の最終回まで、全話見てしまいました。
☆☆☆(50点満点で、☆…10点 ★…2点です)
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