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2016年9月21日 (水)

「静かな炎天」若竹七海

【内 容】

0910

有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。

苦境にあっても決してへこたれず、ユーモアを忘れない、史上最もタフな探偵の最新作。
〈甘いミステリ・フェア〉〈サマーホリデー・ミステリ・フェア〉〈風邪ミステリ・フェア〉〈学者ミステリ・フェア〉〈クリスマス・ミッドナイトパーティー〉など、各回を彩るユニークなミステリの薀蓄も楽しめます
好評の「富山店長のミステリ紹介ふたたび」も収録。

【目 次】

「青い影 七月」
バスとダンプカーの衝突事故を目撃した晶は、事故で死んだ女性の母から娘のバッグがなくなっているという相談を受ける。晶は現場から立ち去った女の存在を思い出す

「静かな炎天 八月」
かつて息子をひき逃げで重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。晶に持ち込まれる依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く

「熱海ブライトン・ロック 九月」
35年前、熱海で行方不明になった作家・設楽創。その失踪の謎を特集したいという編集者から依頼を受けた晶は失踪直前の日記に頻繁に登場する5人の名前を渡される

「副島さんは言っている 十月」
元同僚の村木から突然電話がかかってきた。星野という女性について調べろという。星野は殺されており、容疑者と目される男が村木の入院する病院にたてこもっていた

「血の凶作 十一月」
ハードボイルド作家・角田港大の戸籍抄本を使っていた男がアパートの火事で死んだ。いったいこの男は何者なのか?

「聖夜プラス1 十二月」
クリスマスイブのオークション・イベントの目玉になる『深夜プラス1』初版サイン本を入手するため、翻弄される晶の過酷な一日を描く

【感 想】

今や40代になった探偵・葉村晶のシリーズです。文春文庫では、第4弾と言う事ですが、「プレゼント」が中央公論社(1996年)から出版されて居るのを加えると、本書が第5弾になります。

前作・「さよならの手口」のような長編もいいですが、やはり短編が良いですね。
テンポが良く、話がドンドン進んでいき、最後に待って居るどんでん返し・・・。しかも、前半部分に登場する小さな謎が、最後にはキチンと解決されているところは、さすがに上手いです。

ほんの小さなきっかけから、大きな事件に巻き込まれていくと言う流れは、違和感が無く良く出来ていると思います。
特に、表題作の「静かな炎天」は、不自然で些細な出来事の積み重ねが、ある事件に繋がって行くというところは絶品でした。
毎回、何かの不運に見舞われてしまう葉村晶ですが、今回は、それ程大きな事故や怪我にも合わずに済みましたが、加齢による衰えは何とも仕方が無いですね。

☆☆☆★★★(50点満点で、☆…10点 ★…2点です)

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