「屋上の道化たち」島田荘司
【内 容】
まったく自殺する気がないのに、その銀行ビルの屋上に上がった男女は次々と飛びおりて、死んでしまう。
いったい、なぜ?
行ってはいけない屋上とは?
「屋上の呪い」をめぐる、あまりにも不可思議な謎を解き明かせるのは、名探偵・御手洗潔しかいない!
「読者への挑戦」も組み込まれた、御手洗潔シリーズ50作目にあたる書き下ろし傑作長編!
強烈な謎と鮮烈な解決!
本格ミステリーの醍醐味、ここにあり!
【感 想】
御手洗潔シリーズ50作目と言う事で、早速購入しました。
ちなみに、これまでの50冊は、全部初版で持っています。
特に、「占星術殺人事件」の初版(1981年)を持っているというのは、ちょっと自慢です(笑)
なお、初版第一刷のみ、登場人物の名前が、御手洗清(潔)と石岡一美(和己)になって居ます。
このところの島田荘司のミステリは、大層なトリックと見せかけて、実はそうでも無かった・・・というのが多く、少しずっこけ美味でしたが、本作は久々の御手洗潔の登場と言うことで、期待して読みました。
内容を一言で言えば、「自殺するはずのない人たちが、次々に飛び降りる屋上の謎」と言うことなのでしょうが、話がだらだらしすぎて、長編にする必要があったのだろうかと思えてしまいます。
謎解きだけなら、中編で十分です。余計な部分が多すぎて、ちょっと中だるみもしました。
また、大阪の女性が登場しますが、変な大阪弁ですね。私は大阪に住んでいますが、あのような大阪弁を使う女性に会ったことがありません。
時代が違うのかとも思ったりしましたが、時代設定は1991年1月で、舞台は神奈川県T見市と言う事です。
別に大阪弁を使う女性を登場させなくっても良いような展開ですが、終始気になって仕方がありませんでした。
また、変なラーメン屋のおじさんの話なんて、どうでも良い感じです。
それでも、260ページを過ぎたあたりからやっと、御手洗潔と石岡和己の掛け合いも登場し、それ以降は読む速度も早まりましたが、何かドタバタ喜劇の裏側を読んでいるような感じで、今回もずっこけながら読み終えました。
余談です。
読後に知ったことですが、作者の島田荘司さんが、NHKの朝ドラ・「あさが来た」を欠かさず見ていたそうです。
それで本作に最初に登場する女性が大阪出身で、神奈川に行っても大阪弁を話すと言う事は、もしかして朝ドラの影響なのでしょうか?
なので、登場する女性が、今はもう使わなったような、昔の大阪弁を使っているのかも知れないですね(笑)
☆☆☆★★(50点満点で、☆…10点 ★…2点です)
最近のコメント