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2013年1月 6日 (日)

「壁抜け男の謎」有栖川有栖

【内 容】1230

富豪の屋敷から名画が盗まれた。しかし屋敷内に作られた迷路の中に絵を残し、犯人だけが消失した!?(「壁抜け男の謎」)
小説家に監禁された評論家。かつては酷評していたが、最近は誉めていたのに。なぜこんなことを?(「屈辱のかたち」)

縦横無尽に張り巡らされた16の罠。
アリス・ワールドへようこそ。
犯人当て小説から近未来小説、敬愛する作家へのオマージュから本格パズラー、そして官能的な物語まで。
有栖川有栖の魅力を余すところなく満載した傑作短編集。

【目 次】

ガラスの檻の殺人/壁抜け男の謎/下り「あさかぜ」/
キンダイチ先生の推理/彼方にて/ミタテサツジン/
天国と地獄/ざっくらばん/屈辱のかたち/猛虎館の惨劇/
Cの妄想/迷宮書房/怪物画趣味/ジージーとの日々/
震度四の秘密/恋人

【感 想】

短編集というと、最近の傾向としては、連作ものであったり、一つのテーマに沿って集められたものが多いのですが、この短編集には、どういう趣旨で集められたのか分からないほど雑多なものが収められています。一貫性が全くなく、寄せ集めと言った感じです。

最初の二編「ガラスの檻の殺人」と「壁抜け男の謎」は、犯人当て小説として書かれ、新聞紙上で発表されたものです。私はどちらも、まったく見当がつきませんでした。もっとも答えを聞いても納得できない部分も多く、出来としては推理クイズよりも少しはまし・・・と言う程度のものです。
表題作である「壁抜け男の謎」には、庭に作られた迷路が登場しますが、どういった規模のもので、どんな様子なのかがイメージ出来ないので困りましたが、結構楽しめました。

「下り『あさかぜ』」以下の四編は、鮎川哲也、中井英夫、横溝正史へのオマージュと言うことで、それなりに楽しく読みましたが、「彼方にて」は、中井英夫を知らない人にとっては、なんの話だ・・・という内容です。

その他の作品は「考え落ち」の話もありますが、退屈しない程度に楽しめたと言うところです。
長さも、チョット休憩するときに、パラパラとページを捲って読むには、ちょうど良い分量でしたので、お正月の面白くないテレビを見ているよりは、時間つぶしに成りました。
最終話の「恋人」は、官能的だと言うことですが、「官能的」と言う意味が分からないほど、普通の話でした。
作者・有栖川有栖のファンで、暇つぶしに読みたいと言う人以外、あまりオススメできるものではありません。

☆☆★★★(50点満点で、☆…10点 ★…2点です)

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コメント

トラさんは偉いですね。
私は数行~数ページ読んで面白く感じないと飛ばして次の
作品に行ってしまいます。
昔は、そういうのは気持ち悪くて兎に角読みだした物は
読んだのですが、こらえ性が無くなって来ました。

それに多読乱読で読んだ作品の内容もすぐ忘れてしまい
しばらくたって、一応立ち読みして初めてだと思って買ったのに
途中で「ありゃりゃ!これは読んだ事あるわ。」(-_-;)ってな事も・・
解説や帯の文字もあんまりあてになりませんね。

torasanさん

おはようほざいます。

今日も本の紹介ありがとうございます。~~♪

今朝も寒くて外に出たくないですね?!

そよかぜさん、おはようございます
いつも有り難うございます。
読み出して投げ出した本って、たくさんありますよ。
気持ちに余裕が無くって、途中で辞めたのやら、嫌な気分になりそうだったので中断したのとか、いろんな理由で積ん読状態になっているのが、まだ何冊かあります。
それでも、お正月のテレビよりまだマシかと思って読みましたが、読んでみるとそれなりに面白いのですよね。

本の購入は、本屋さんで2,3ページ読んでから買ったのは、ダブって購入すると言うことはありません。読めば思い出します。
でも、本屋さんに行けなくって、ネットで新作と思って購入したので、文庫化されてタイトルが変わっていた・・・というのは何冊かあります。
タイトルが変わっているって、ちょっと詐欺っぽいですね(笑)

解説も当てになりませんが、評論家の評価も当てになりませんので、最初から気にしていません。
自分で読んで探すしかないですね・・・。
10冊読んで、面白いのは半分ぐらいで、好きになるのはそのまた半分ぐらいです。

みのりさん、おはようございます。
いつも有り難うございます。
テレビも面白くないので、本ばかり読んでします。

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